生還

(羽根田 治著 山と渓谷社 2000

 

◎概要

山岳遭難は毎年のように起きており、それにより、命を落としたものも少なくない。だが、中には奇跡的に生き長らえた登山者もいる。そんな登山者達7人にインタビューをし、事故の様子を克明に記述したものが、この『生還』である。ここの事例についてここではふれないことにするので、各自で読んで頂きたい。山岳事故は、自然の不可抗力により、どうにも避けられないものもあるが、往々にして、装備不足や登山者の判断ミスによるところが多い。実際、ここで挙げられたものも、結局は、大なり小なり登山者の判断ミスから生まれたものである。

事実を述べたものであるが、これを、ただ単に、こんな事もあったのだと言うだけで終わらせてはいけない。事例をもとに、自身の慢心の自戒とせねばならない。いずれも、結局は、自身の慢心が招いた事故なのだから。